公開
2026年10月13日
「銃殺刑をライブ配信する」。米国防総省が、12月に予定する死刑執行をネットで公開する計画だという。2009年に陸軍基地で13人を射殺した死刑囚が対象。トランプ大統領は配信の是非について最終判断を留保しているが、政権の意向が反映されているのは間違いあるまい▼これまで「人権」を普遍の価値に掲げ、強権的な中国政府などを批判してきた米国かと思うと、その変貌ぶりに驚く。実現すれば異例の「公開処刑」である。究極の刑罰すらも見せ物にする発想に開いた口がふさがらない。さすがに与党共和党の議員からも「イランやアフガニスタンのような抑圧的な独裁政権のすることだ」と批判が上がるという▼公開の宣告はこれだけではない。トランプ政権は国際刑事裁判所(ICC)そのものに制裁を科すと発表した。ICCの元裁判官へのノーベル平和賞授賞が決まった数時間後である。ルビオ国務長官は動画で「ICCが脅威を与えるのを終わらせるか、我々がICCを終わらせるかのどちらかだ」とすごんだ。当のトランプ氏は、平和賞は自分が受けるべきだったと、思わず本音をにじませた▼永田町でも、公開の「説教」が話題を呼んだ。自民党の会合であいさつに立った簗和生農林水産相に、鈴木宗男参院議員が声を張り上げた。「決意表明の前に人としての矜持が問われているんだよ」。予算カット発言の騒動に触れなかったことに、ベテランの鈴木氏が怒りを爆発させた▼高市早苗首相は「働いて仕事で返せと言っている」と、簗氏をかばう。だが、予算配分の疑念は別問題だ。支持する自治体に厚く、気にくわない自治体はカットする。そんな恣意的な配分であれば、国の予算は政治家の「恩賞」と「制裁」に成り下がる。高市政権がまずは公開すべきは予算配分の決定過程だ。(熊)


