大分建設新聞

四方山

未確認○○

2026年06月01日
 「激レア/真っ白」。そんな見出しで報じられたのは、水族館「うみたまご」(大分市)に登場したマダラトビエイ。黒っぽい背中に白い斑点があるのが特徴だが、この個体は色素が減少した白変種。白い影が水中をゆったりと舞う姿は、どこか未確認飛行物体(UFO)にも見える▼かつてはバラエティー番組の定番ネタとして、笑い半分に語られたUFO。だが、それを巡る空気が変わってきた。今は「未確認異常現象(UAP)」として、安全保障や危機管理の課題になっている。米国防総省は関連資料の公開を始め、日本でも超党派の「UFO議連」が、政府横断の対応強化を官房長官に提言した▼未確認だからこそ、記録を集め、映像を検証し、関係機関で情報を共有すべきという主張である。空に正体不明の物体が現れた時、「宇宙人だ」と決めつけるのも、「気のせいだ」と笑い飛ばすのも危うい。なるほど危機管理とは、分からない事象から目をそらさないことでもある▼一方、記録が示されているのに、「確認できない」とされる話もある。昨秋の自民党総裁選などで、高市首相の陣営が対立候補の中傷動画を流したのではないか、という疑惑だ。週刊文春は秘書と動画作成者とのやりとりを報じたが、高市首相は国会で「秘書を信じます」と繰り返した。「秘書を信じる。だから疑惑はない」というのでは、説明は輪を描いて元の場所に戻ってしまう▼最近話題の「タゴサク構文」をご存じだろうか。無理な理屈を重ね、最後は「自分は関係ない」という結論だけを押し通すネット上の言い回しである。笑い話ならよい。だが、民主主義の土台である選挙の公正を巡る問題である。「信じているから、それで足りる」で済むはずがない。空の謎より先に、足元の未確認事実を解明してもらいたい。(熊)
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