大分建設新聞

四方山

時間をお金で買う

2026年05月28日
 最近聞くようになったファストパス制度。ファストパスとは「fast(速い)」の名前の通り、通常の順番待ちをスキップして、対象施設のサービスを短い待ち時間で利用できるもの。元々はディズニーランドなどのテーマパークで導入され、アトラクションを効率的に楽しむため優先入場券として使われていた▼ディズニーランドのアトラクションは2時間待ちは当り前。それ以上待つ事もあり閉園までに乗れる数が限られてくるため、とても便利だったが、残念ながら2023年にサービス終了となった▼一方、都会の飲食店などでは、代金とは別にお金を払えば行列に並ばず入店できる、ファストパスが注目されている。Z世代と呼ばれる10代後半から30代前半にかけての人たちはタイパ(時間対効果)を重視する傾向が強く、この制度を使う事にあまり抵抗がない▼店に行けば店内価格で食べられるのに近くの店でもデリバリーを頼む。「行く時間がもったいない」と、追加費用がかかっても利用する。若者にとって時間をお金で買うことは合理的で価値のある選択なのだろう▼行列ができる飲食店では「並ぶのが嫌で帰ってしまう」機会損失が年間約768億円。滞在時間が限られる訪日外国人の機会損失は740億円といわれ、年間1500億円ものお金が店の前でこぼれ落ちていることになる▼ファストパスは導入しても人件費もかからず、原価ゼロのため大きな利益になる。これを商売に利用しない手はない▼一方でお金を払わず地道に並ぶ客からすると、後から来た人に先を越されるのはかなりのストレスになる。不公平感をどう減らすかが今後の課題だろう▼時間の無駄が一番嫌いな私だが、余分なお金は出したくない。録画した番組を2倍速で見る無料のやり方で時間短縮を心掛けている。(望)
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