大分建設新聞

四方山

「自転車エレジー」

2026年04月10日
「ガソリン上がったなぁ。上がり続けると車に気安う乗られん。通勤なんかで自転車に乗る人が増ゆるんじゃなかろうか?」「いやいや、自転車はヘルメットかぶらんとわりいし、4月からは信号無視とかの違反で反則金を取らるんので。乗る人が減るんやねえかい?」―。ある居酒屋でのオッサンたちの会話である▼物価高にあえぐ庶民に追い打ちをかけるガソリン価格の高騰。イラン情勢は混とんとして先行き不透明だ。そして、こんな時こそ活躍してほしかった自転車への違反罰則の強化。「ながらスマホ」など113の違反に対し反則金を課すという厳しい改正である▼さて、居酒屋談義の「自転車の利用者は増えるのか、減るのか?」である。たまたま先日の花見の席に自転車屋の知人がいたのでその疑問をぶつけてみた。開口一番、彼は「そりゃあ減るでしょう。大いに心配してますよ。大きな動きはまだないけど、罰則強化で利用者へのマイナスの影響は大きい」と不安な顔をみせた▼自転車は戦後の混乱期には荷物の運搬に大活躍。リヤカーのけん引などにも使われ、戦後復興に大きな役割を果たした。高度成長期は自動車に主役を譲って脇役に回ったが、1970年代の石油危機以降、省エネの乗り物として再び脚光を浴びてきた。しかも小回りが利いて渋滞知らず、二酸化炭素を出さない環境への優しさ、健康にもうってつけ。“一石三鳥、四鳥”のツールとして見直されてきた▼ところがここにきての自転車への非情な罰則強化である。「ながらスマホ」など危険な運転が増え、重大事故が減らないなどの事情は分かるが、青切符・反則金…ちと厳し過ぎませんか。まさに“自転車エレジー”。エコでヘルシーな自転車をずっと利用してきた庶民にとっては辛いご時世になったものである。(マサ)
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