大分建設新聞

四方山

メッキ

2026年02月24日
 日本選手の活躍が際立ったミラノ・コルティナ冬季五輪。中でもフィギュアスケート・ペアの「りくりゅう」こと三浦璃来選手、木原龍一選手組の快挙は早くも伝説になった。何しろショートプログラム5位からの金メダル獲得は史上初の大逆転劇である。感涙にむせぶ木原を「今回は私がお姉さんでした」と年下の三浦が抱き寄せるシーンは、多くの日本人の胸を打った▼こう言っては身もふたもないが、五輪の金メダルは純金製ではない。かつて五輪憲章では92・5%以上の純銀の土台に、6㌘以上の金張りを施したものとする明文規定があり、現在も概ね踏襲されているという。まさに「メッキ」である。その薄い金箔の下には、アスリートたちの栄光の物語がしっかり宿っている▼メッキが剥がれた神奈川県警の不祥事を思う。でたらめ極まりない交通取り締まりの実態が明るみに出た件である。交通機動隊の「小隊」という組織ぐるみで日常的に、不正に手を染めていた。実際の追尾距離が数十㍍にもかかわらず、反則切符には100㍍などと虚偽の記載を繰り返していたという▼実況見分までも、ネットの地図を利用して創作されたケースもあったというから言葉を失う。問題の発覚で、2716件の違反が取り消され、返還される反則金は約3400万円に上る。ありていに言えば、当の警察の手で、おびただしい数の「冤罪」が作られたのである▼民間人であれば、逮捕となってもおかしくない事案だというのに、処分された警察官7人は、いずれも書類送検で決着した。「一件でも多く取り締まりたかった」という動機は、歪んだ数字への執着にすぎない。氷上のペアが互いを信じて高みを目指したのに対し、こちらの「小隊」は不正を黙認し合うことで、警察組織への国民の信頼を泥沼に沈めた。(熊)
取材依頼はこちら
環境測定センター
事業承継プラザ 切り替え
arrow_drop_up
TOP