腸
2026年02月19日
思考しているのは脳ではなく腸だと聞いて、皆さんは多分そんなばかなと思われるだろう。動物の発達は最初に腸ができて、次に神経系統が発達し、循環器系統や手足などそのほかの器官が増えて、全体のバランスを取るために脳ができたようだ▼理解したことを「はらに落ちる」や怒りを「はらの虫が治まらない」などの表現があるが、脳と腸の働きに相関関係があることを人は昔から経験的に知っていたのかもしれない▼人間の行動を全て脳が司っているのではないことは皆さんは経験的に理解していると思うが、例えばご飯を食べるときに、いちいち箸を持ってご飯をつかみそれを口に入れてかんである程度そしゃくしたら飲み込む、と考えながら食べる人はいない。これらはほとんど無意識に行っていると思う。人間の行動の大半は自動思考で行われ、この間脳は休んでいるのだ。私などは通勤途中で寄り道をする用事を忘れることがしょっちゅうある▼話を腸に戻す。最近の研究によると腸や腸内細菌叢の活動が脳に伝えられ、脳はその情報に基づき空腹などの予測を行い食欲を起こすなどの行動を命令する。マウスを使った実験では、腸からの満腹信号が脳に伝わると感情や行動が変容するという結果が得られている▼また、腸内細菌叢と攻撃性の研究も行われていて、アメリカンピットブルテリアという犬とジャンガリアンハムスターを使った実験で攻撃性の高い個体と低い個体では腸内細菌叢の構成に違いがあることが分かっている。これらをみると腸が脳に攻撃命令を出すよう仕向けているように思える▼これから私は怒りが収まらないことがあったら、怒りは脳の指令ではなく本当に腹の虫が騒いでいるのが原因だから、腹の虫をなだめる努力をしよう思う。皆さんも試してみたらいかがか。(筋)


