ジェンダー2
2025年11月26日
「じゃああんたが作ってみろよ」というテレビドラマをご存知だろうか。主人公の男女が大分出身との設定で、大分弁や名産品が登場するのが楽しい。勝男は昭和男の化石のような、今や死語となった九州男児で、「男子厨房に入らず」よろしく、家事一切を同棲相手の鮎美に押しつける。鮎美の好みややりたいことには一切関心を持たず、堪忍袋の緒が切れた鮎美が家を出て行くところからドラマは始まる▼私が若いころは「男は泣くものではない」「涙は女の武器」といったジェンダーが当たり前で、男、女はこうあるべきという〝常識〟のようなものがあった。私の母親は「息子は何の役にも立たない。娘の方がずっといい」が口癖だったが、皮肉にも息子の私に看取られて最期を迎えた▼母の介護認定のとき、女性のケアマネージャーは世話をしているのが男(私)だと知って哀れに思ったのか、すぐに訪問介護などを手配してくれた。介護が始まると女性の介護士や看護師が、私の世話が行き届かないのを当たり前のように受け入れてくれた。私が女だったら違った対応になったのではないか。母も息子に下の世話をさせることはプライドが許さなかったらしく、最後まで女性の介護士さんに頼った▼「酒と泪と男と女」という河島英五の歌に「男は呑んで酔いつぶれて眠る。女は泣き疲れて眠る」とあるが、ドラマの勝男は人前で号泣するし、鮎美はテキーラをがぶ飲みする。母はきっと「男のくせに人前で泣くチャみっともネー」や「おなごのくせに焼酎を酔っぱらうまで飲みよる」と言っただろう▼時代は大きく変わる。ダンプカーの運転手や建設機械のオペレーターに女性が増えたし、女性の総理大臣も誕生した。「男は度胸女は愛嬌」も死語になった。男も女も生きやすい世の中であってほしい。(筋)




