大分建設新聞

四方山

猛省

2025年11月17日
 「七福神」に「七つ道具」。日本人の生活において「七」という数字は、大切にされている。ましてやその10倍ともなれば、ありがたさも増すというものだ。県内主要経済団体の一つ、大分経済同友会が創立70周年を迎え、約200人の会員が集まって、賑やかに記念式典が開かれた。来し方に思いを馳せ、さらなる飛躍を誓ったという▼同じく70年という節目の年を迎えた組織がある。自由民主党だ。1955年の結党以来、戦後の日本政治を支えてきた。本来なら華やかな式典のひとつでも催してよさそうなものだが、今回は違った。衆参両院で少数与党に転落した中、祝賀ムードなど持ち出す空気ではないと判断したのだろう。10年ごとに続けてきた記念行事を初めて見送った▼代わりに結党記念日の15日に公表されたのが「結党70年声明」である。「国民の信頼を損なう事態を招き、猛省しなければならない」との文言が並ぶ。だが、信頼を失った最大の要因である「裏金問題」という言葉は、なぜか影を潜めたまま。具体的言及を避けた反省は〝魂の入らない猛省〟のようにも感じられる▼「誠心誠意、嘘をつく」と言ったのは、策士と呼ばれた自民党の生みの親、三木武吉だ。自身は鳩山一郎の日本民主党に身を置きながら、不倶戴天の敵であった吉田茂の自由党との保守合同を実現させた。革新政党が伸長する中、保守合同こそが国家国民の幸福につながると確信していた▼その目的のためには、同志すらも欺いたと言われる。大義のためなら方便も辞さないという覚悟の言葉だった。一方で、保守合同に当たっては私欲を捨て、役職を求めることはなかった。愛人の人数を問われ「4人ではない、5人だ」と言ってのける豪胆さもあった。泉下の生みの親は、この「猛省」を何と聞いたであろうか。(熊)
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