大分建設新聞

四方山

大分にもクマがいた

2025年11月14日
 各地でクマによる被害が甚大だ。今年すでに13人が犠牲になり、けが人も21都道府県で200人以上という。連日のようにクマの被害が報道され、自衛隊や警察までが出動する異常事態である▼多くの人達が「うちにもクマが来るかも」と不安を募らせる中で、クマ騒ぎを少し冷静に見ていられるのは私達、九州人だけだろう。九州のクマ絶滅が宣言されて久しいが、その少し前の昭和の終わりに、県内でクマ発見の大ニュースがあったのをご存じだろうか▼大分・熊本・宮崎県にまたがる祖母・傾山系には昔からツキノワグマが生息。だが戦前の1941(昭和16)年を最後に捕獲記録がなく、クマは絶滅したと言われていた。そんな中、87(昭和62)年に「絶滅したはずのクマが祖母・傾山系山中で射殺された」という大ニュースがあった。体長1・3㍍、体重約100㌔のツキノワグマ。イノシシを追っていた林業の男性が、豊後大野市緒方町の山中で大きな口を開けたクマに遭遇し猟銃で仕留めた。新聞やテレビでも「クマはやっぱりいた!」と大騒動になった▼だが詳しい鑑定の結果は「歯が異常に摩耗し、飼われていた可能性もある」「遺伝子型は九州に生息するクマではない」との結論。これを契機にクマの絶滅宣言につながっていく。2001年に大分県が、12年には環境省が九州のクマ絶滅を宣言した▼その後もクマらしき動物の目撃情報があり、生態系のロマンを求めて関係者が〝クマ探し〟をしてきたが見つからず、絶滅宣言を裏付ける結果となった▼九州のクマ絶滅は生物多様性の上からは残念だ。だが残酷なクマの被害を聞くにつけ、他の地域の方には申し訳ないが九州に住んでいて良かったと思う気持ちもある。野山を自由に散策できる当たり前のことに感謝しなければいけない。(マサ)
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