大分建設新聞

四方山

終盤の総裁選

2025年09月29日
 事実上の次期首相を選ぶ自民党総裁選レースが終盤を迎えた。投開票日は10月4日。名乗りを上げている小林鷹之元経済安全保障相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相、小泉進次郎農相といった5人の候補者たちは東奔西走、党員票の掘り起こしに余念がない。中でも本命視されている高市、小泉両氏の言動は焦点となっている▼告示の演説会で度肝を抜いたのは高市氏だ。「奈良の女」をアピールし、抑揚をつけながら和歌を読み上げ、最後は「日本を高い位置(たかいち)へ」と自らの名に引っ掛けて決意を披歴した。一方で、外国人問題に絡めて「奈良の鹿を蹴る人がいる」と発言し波紋を広げた。「自分なりに確認した」と述べたものの、公園管理者の奈良県はそれを否定。何やらトランプ氏の手法を真似ているような感じもする▼下馬評の高かった小泉進次郎氏。演説、討論会で「カンペ」が手放せないと皮肉られていたが、今度は「サクラ」疑惑に見舞われている。問題の発端は、支援者に動画サイトへの投稿を促していたことだった。それも陣営が用意した「やらせコメント」である▼その例文というのが「総裁まちがいなし」「ようやく真打ち登場!」…。寅さんならずとも「そんなにヨイショされては、商売のサクラにもならない」と逃げ出すだろう。小泉氏は「知らなかった」と釈明したが軽率である▼舌戦を繰り広げる5候補だが、一致しているのが派閥裏金事件に関与した議員への対応だ。要職起用について誰一人として「しない」とは言わず、「適材適所」と口をそろえる。「解党的出直し」と言っても、その程度のことなのだろう。小泉陣営の例文には、こんなのもあったという。「そばで見てる人は分かってるんだよ」。国民の目にはどう映るのであろうか。(熊)
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