大分建設新聞

四方山

無添加

2025年09月25日
 加工食品などに「無添加」と表示したものをよく目にする。無添加とは、保存料、香料、着色料など、人工的な添加物を一切使用していないものを言う。食の安全・安心や健康を気遣う人の商品選びの基準になったりする。しかし、無添加は本当に身体に優しいのだろうか▼2024年4月、消費者庁のガイドラインで、無添加の表示が厳しく規制されるようになった。無添加を表示するには、原材料の産地から最終加工までの全工程で、指定の添加物が一切使用されていないことが必要になった▼国や地域によって規制にも差がある。今年1月、米国でラットの動物実験により食品着色料「赤色3号」の発がん性が確認され、食品、医薬品への使用禁止が決定された。これを受け日本でも専門家の審議会で審議されたが、ヒトの安全性への懸念はないとの判定。しかしその後、医薬品の一部で、一日摂取許容量を上回るものがあると報告された。医薬品メーカーには、赤色3号の含有量の自主点検と、必要に応じた使用量の変更などの対応が求められている▼食品添加物は主に食品の加工や保存の目的で使用される。消費者庁のホームページによると、その安全性について専門委員会が審査し、ヒトの健康を損なう恐れのない場合に限り使用が認められている。また使用が認められた添加物でも、一日摂取許容量を調査するなど、安全の確保に努めているという▼90年代にブームを呼んだ「無化調ラーメン」をご存じだろうか。化学調味料(うま味調味料)を使用しないのが売りで、天然素材だけで旨味を引き出すこだわりの味が女性客らに受けた。ただ塩分の多いラーメンであることに違いはない。「無添加なら安全安心。しかも健康によい」といった誤解を招きかねないという点にはくれぐれも注意したい。(コデ)
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