大分建設新聞

四方山

2025年08月04日
 戦争が終わって僕らは生まれた。戦争を知らずに僕らは育った―戦争を知らない子どもたち―の歌詞だが、世界に目を向けると大戦直後の1950年に起きた朝鮮戦争をはじめベトナム戦争、最近ではロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ攻撃など、私が爺になるまで世界のどこかで殺し合いが起きている▼今年は戦後80年の節目の年。平和な日本に生まれてよかったとつくづく感じている最中に、台湾有事の際には核の脅しをするようアメリカに日本の自衛隊が再三要求したとの報道を目にした▼自衛隊幹部は、本当の戦争の恐ろしさを知らないのであろう。あの大戦で日本は約310万人もの死者を出し、広島・長崎で投下された2発の原爆で50万人以上の犠牲者が出たことの知識はあるだろうが、他人ごとになってしまったのだろうか▼核の傘というが、私にはキノコ雲しか頭に浮かばない。世界には人類を絶滅させるほど核兵器があるという。核で核を防ぐことができるとは私には理解できない。核の恐ろしさは広島・長崎で証明されたはずなのに世界は核兵器廃絶に向かおうとしていない▼核分裂から得られるエネルギー寿命は太陽と同じぐらいで、人類は永遠のエネルギーを手に入れたと子どもの頃学んだ。鉄腕アトムは小型原子炉を搭載し、放射能の炎をまき散らしながら人類のために戦う。石炭や石油など化石燃料はそう遠くないうちに枯渇する。最近では、風力・太陽光など自然エネルギーを利用する発電が多くなってきたが、やはり安定供給の面からみると枯渇しない原子力に頼りたくなる▼人類が放射能をコントロールし、核が人殺しの道具から人類の幸せのために使えるようになることを願わずにはいられない。私だけでなく、子々孫々まで戦争を知らずに育ってほしい。(筋)
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