大分建設新聞

四方山

ギャンブル

2025年07月04日
 何かと世間の注目を集めているフジテレビだが、またもや世間の耳目を集める不祥事である。今度はプロデューサー、アナウンサーがオンラインカジノで賭博を繰り返したとして、それぞれ逮捕、書類送検された。プロデューサーに至っては、3月末から5月の間に計約1億7000万円も賭けていたという▼平日昼のバラエティー番組「ぽかぽか」を担当し、社内では「敏腕」と評されていたという。同僚から金を借りてまでカジノにのめりこんでいたという。収支の方は数千万円のマイナス。恐らくこれまで手にしていた高給もフイになり、残された巨額の借金にさぞや「ひやひや」していることだろう▼警察庁の集計によると、オンラインカジノ経験者は推計337万人、国内賭け金は年1兆2000億円に上るという。しかも闇はさらに深い。違法スポーツくじ市場は6兆4500億円と、オンラインカジノの5倍超に達する。大谷翔平選手の元マネージャーの一件を見るまでもなく、依存性が極めて高いとされる▼常識的には「対策を…」と考えるべきだが、プロ野球などを対象にしたスポーツくじを国内でも合法化しようという政財界の動きもあるという。巨額の掛け金が海外に流出するくらいなら国内で環流してもらいたい、という思惑が透けて見える。依存症患者の存在など眼中にないのであろう▼思えば日本は、もっと巨大な賭場を抱えている。国債残高1000兆円超。GDP比200%は主要先進国の中でずば抜けて高い。「いつか大当たりして借金はチャラになる」と信じて、借用証書を積み上げる姿は「ギャンブル国家」と呼ばれても反論しづらい。オンラインでカジノ、オフラインで国債。桁違いのギャンブルがあちこちに転がっている日本。「ぽかぽか」しているヒマもなさそうだ。(熊)
名鑑CDバナー
取材依頼はこちら
環境測定センター
事業承継プラザ 切り替え
arrow_drop_up
TOP