紙と電子
2025年05月19日
新聞をインターネット上で読む人が増えている。確かに紙の新聞は保存するにもスペースが必要になるが、電子版ならパソコンやスマートフォンがあれば一挙に解決できる。弊社の顧客でも、紙と電子版の両方を購読されるケースは少なくない。正直に言えば、電子版のみの契約者も増えている▼電子版の新聞はキーワード検索したりするのにも便利だが、紙の新聞はその日の紙面を一望でき、その中から興味のある記事を選べるメリットに注目したい。紙媒体のほうが記憶に残りやすいという研究結果もある。実際に、保存したい記事などは新聞を切り抜いたり、表示画面を印刷したりして残すことも少なくないだろう▼新聞や出版などはデジタル化が進んでいるが、私はもっぱら「紙派」である。時代遅れと言われれば、そうかもしれないが、記事を書くのにも何度か印刷して読み直す。そうしないと、紙に印刷して誤字に気付くことも少なくないからである▼記者にとって紙の新聞は、人とのつながり、交流を深めてくれるアイテムになることも。先日は、取材に協力してくれた中学生のもとに掲載紙をお届けしたところ、親御さんにとても喜ばれた。そうした笑顔を見ると、取材してよかったなと満足感を覚える。また、ある中学校に掲載紙を持参した際、校長先生からこれまでの数多くの記事の切り抜きを貼り付けた掲示物を見せてもらい、喜んでもらえていることが実感できた。どちらも記事をPDFにしてメール送信すれば足を運ぶ必要はないが、そこに喜びはあるだろうか▼いずれは消えてしまうのではないかと思う記事だが、こうした触れ合いが味わえることに感謝したい。とはいえ、新聞は読者のためになる内容であることが最優先される。それを胸に刻みつつ、きょうも取材に出掛けたい。(コデ)