ミラクル
2025年04月03日
春がやってきた―と感じさせる定番のニュースと言えば、何もサクラの開花宣言だけではない。大分市の高崎山自然動物園の人気ザルを決める恒例の「選抜総選挙」もその一つだ。今年は大番狂わせがあったという。事前の下馬評では仕草の愛らしさから「マルオ」(20歳、オス)と言われていたが、ふたを開ければ初出場の「ミラクル」(6歳、メス)が人気ナンバーワンに▼しかも、2位にマルオよりも128票多い411票を獲得したというから圧勝である。実は、ミラクルは幼少時に下半身が不自由になったが、懸命な努力でそれを克服。母ザルが亡くなってからは、きょうだいサルの面倒を見るなど、他者を思いやる心も育んでいるという。ミラクルの名は、その負けじ魂に由来している▼失礼ながら顔立ちは、地味だ。かわいらしさからは縁遠い。それでも障がいを乗り越え、家族にも尽くそうとする、ポジティブな姿に多くの来園者が共感を寄せ、選挙でも奇跡を演じたのだろう。何やら「うらやましい」という声が聞こえてきそう。声の主と言えば、永田町のあの方のような…▼共同通信が3月下旬に実施した世論調査によると、政権の支持率は2月に比べ12㌽下落の27・6%と、石破政権発足後、過去最低を記録した。10万円商品券の配布問題が響いている。起死回生の策として、政権周辺が期待を寄せているのが13日に開幕する大阪・関西万博だという▼1990年の大阪・花博、2005年の愛知・地球博といった、直近2回の国際博覧会があった年の国政選挙では、いずれも自民党が大勝しているのがその理由。7月の参院選を念頭に「夢よ、三度」ということのよう。とはいえ、大阪・関西万博の入場券の売れ行きは当初目標の半分である。果たしてミラクルは起きるのだろうか。(熊)