ラジオの力
2025年03月24日
NHKラジオでは「放送100年プロジェクト」と称した特別番組を数多く放送している。1925年3月22日、NHKの前身、東京中央放送局・芝浦仮放送所がラジオ放送を開始し、100周年を迎えたことを記念するキャンペーンだ。先週の土曜日は、これまで放送された音楽に焦点を当てた特別番組を聞いた。放送開始当初はレコードではなく、スタジオ生演奏だったことなど、興味深いエピソードが満載▼今、テレビ業界ではタレント、局員を問わず、パワハラ、セクハラなどさまざまなスキャンダルで揺れている。SNSの普及により、テレビ離れも進んでいる。一方、ラジオの人気が再燃。インターネットサービス、ラジコや聞き逃しサービスなどによる効果だろう。ラジオの大きなメリットは「ながら聞き」ができる点。受験勉強しながら深夜放送、家事をしながらニュース番組、ドライバーは運転しながらラジオを聞く人も多いだろう▼そして、災害時にもラジオは大いに力を発揮する。地域に密着した詳細で即時的な情報提供ができ、リスナーからの情報など双方向コミュニケーションが可能になるからだ。スマートフォンに前述のラジコをインストールしておけば、ラジオ機器がなくても大丈夫。東日本大震災発生時のメディア評価を聞いた総務省調査によると、地上波テレビ27%、FMラジオ39%、AMラジオ60%と、ラジオの存在感が大きい▼「防災ラジコ・ファクトブック」ではラジオの強みについて、災害の状況に応じて臨機応変に番組編成に対応できると紹介。番組の個性、放送エリアに合わせた情報提供が可能で、電池・手回し・ソーラーなどにより停電時でも使用でき、手軽に持ち運べる―ことなどが指摘されている▼防災グッズの一つとして考え、必要な情報を正しく取得したい。(コデ)