憂鬱
2025年03月17日
毎年木の芽立ちの頃は、気分が憂鬱になる。1月は行く、2月は逃げる、3月は去るというが、新年を迎え新たな気分もそこそこに気が付けば3月になっている。3月は卒業や転勤などで毎年別離を経験しているから憂鬱になるのか、それとも季節の変わり目で少しおかしくなったか▼先日、奥歯が痛くなって歯科医を受診したら「この歯は既に神経を抜いておりこれ以上治療して改善する余地がないので抜歯するほか方法がない。ついては痛みがある間は抜歯できないのでとりあえず抗生物質で痛みを抑え、痛みが薄れたら抜歯に来てください」と言う▼長年にわたり使ってきた愛しい歯だが、とうとう抜いてしまうのもやむを得ないかと思って、抜歯後はどうなるのか聞くと、一番奥の歯なので入れ歯などしなくても残りの歯で噛むことができるとのこと。以前、親知らずを抜いた時に顔が腫れ上がって口が開けられなくなり、3日間、流動食で過ごしたことを思い出し、痛みが治まったら抜歯を先延ばしにするだろうと思った▼痛みがあるからこそ何とかしたい、いっそのこと抜いてしまおうと思うが、いざ痛みがなくなると抜きたくない思いの繰り返しで、行きつくところまで行ってしまうのだろう▼こんな時に、ふと外を見ると、春霞がかかって雨が降りそうだ。映画のセリフに「春雨じゃ濡れて参ろう」などというものがあったが、私にとってはそんな風流なもんじゃない。全部が花粉に見えて憂鬱になる。目がかすみ、目に指を突っ込んで掻きむしりたくなる。鼻水は垂れてくる、頭はボーっとして集中力がなくなる▼今のところ薬で抑えられているが、副反応で眠くなることこの上ない。今も何を書いているのか支離滅裂になってきた。それにしてもこの憂鬱は何とかならないか、抜歯しよう。(筋)