大分建設新聞

四方山

工事現場が美術館に

2025年03月05日
 人々が住みよいまちをつくり続ける建設業。建設はあちらこちらで何らかの工事を見かけるものだ。特に自動車での移動途中では脇見運転になるので、まちを歩くのが良い。工事現場は「生きもの」のようで見ているだけでも楽しい。でも、もっと楽しませてくれるのが、工事看板や作業用フェンスに掲載した「障がい者アート」の展示だ。通り掛かりの人を実に楽しませてくれる▼県内では、2018年に開催された「第33回国民文化祭・第18回全国障害者芸術文化祭」をきっかけに「元気のでるアート!実行委員会」と「大分県建設業協会」が連携して、建設現場を活用した「元気の出るアート!」プロジェクトが発足。県建設業協会によると、18年以降、23年度までに延べ1154社が参加し、1万9940枚(1枚1作品につき使用料100円寄付)を掲載した。今年度も続けている▼また、障がい者から生まれる芸術作品をビジネスに活用して、障がい者の利益につなげる動きも広がっているという。大分銀行は19年度から「障がい者アートの商業化」に取り組んでいる。県内で活動する障がい者アーティストから生まれる優れたすべての作品を対象に、多くの人に見てもらおうと大分銀行宗麟館や大分銀行赤レンガ館を活用するなど、新しいアーティストの発掘にもつなげている▼大分駅北側の府内中央口広場に隣接する末広町一丁目地区では、現在、市街地再開発事業が進む。A街区工事現場では、工事用仮囲いフェンスの延長39㍍、高さ3㍍の範囲に障がい者アート約50作品が飾られていた。大分駅とセントポルタ中央町を行き交う歩行者の目を実に楽しませる。展示は9月まで▼県立美術館、市美術館など絵画は美術館で展示するものと思っていた。よ~く見ると工事現場が美術館に見えてくる。(勇)
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