大分建設新聞

四方山

朝ズバッ!

2025年03月04日
 一時期は、この人の顔をテレビで見ない日はなかった。軽妙なトークで知られた、みのもんたさんが他界した。80歳だった。滑舌のいい名調子で知られた。体調を崩したのは、牛タンをのどにつまらせたのがきっかけだったというのも、いかにもみのさんらしい▼当意即妙なトークを得意とし、「朝ズバッ!」など情報番組の司会で大活躍。最盛期は三つの生番組を掛け持ちし、1週間の総出演時間は21時間を超え、「最も多くの生番組に出演する司会者」としてギネス認定されたこともあった。文字通り「日本一忙しい司会者」だった▼真骨頂は持ち前の反射神経の良さからくるアドリブ力だった。ユーモアたっぷりの受け答えが光った。年配の女性に対しても「お嬢さん」と呼び掛けた。時に脱線することもあったが、相手が傷ついてしまうような言葉を使ったり、困るような話題を振ったりしない、というのが信条だった。だが、考えてみれば、普通の生活者にとっても特別なことではない。当たり前の常識であり、礼節である▼ウクライナのゼレンスキー大統領との会談に臨んだ、米国のトランプ大統領の態度に空恐ろしさを覚えた。終始威圧的な態度。「感謝が足りない」「お前は(交渉の)カードを持っていない。カードを持っているのは米国だ」。ギャングの脅しのような文句である。超大国と呼ばれる国のトップから吐かれた言葉に耳を疑う▼はっきりしたのは、トランプ氏にとって、外交は利益を得るビジネスの延長であり、国際秩序の維持については関心がない、ということであろう。手のひらを返すように、ロシアと手を組み始めている。いずれディール(取り引き)先を日本から中国に乗り換える日も来るかもしれない。米国頼みだった日本にとっては、ズバッとはいけない試練の時である。(熊)
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