大分建設新聞

四方山

品位

2025年02月28日
 米大リーグのマリナーズなどで活躍し、数々の記録を打ち立てたイチローさんが先ごろ米国野球殿堂入りを果たした。日本人としてはもちろん、アジア人としても史上初の快挙である。全米野球記者協会のベテラン記者の投票で選ばれる。得票率75%以上が条件だが、イチローさんは99・7%だった▼殿堂入りが決まったときのイチローさんの言葉が印象深かった。素直に喜びを語る一方で、こう語ったのだ。「過去に対する称賛。あくまでも今をどう生きるかということを考えていきたい」。ストイックというか、何ごとかを追い求める修行僧のようである。それがまた、イチローという野球人の品格なのだろう▼その快挙と時期を同じくして新横綱が誕生した。第74代横綱の豊昇龍である。強いばかりでなく、「品格・力量が抜群」であることも横綱の条件とされる。昇進の知らせに、報道陣から「品格」について問われると、豊昇龍はこう応じたという。「品格って言葉の意味、ちょっと分からない」。モンゴル出身。しょうがないとはいえ、ちょっと寂しい▼警察官僚から政界入りした秦野章という自民党国会議員がいた。法相を務めた実力者だったが、「政治家に古典道徳の正直や清潔などという徳目を求めるのは、八百屋で魚をくれと言うのに等しい」と言い放ったことがあった。裏金問題を見ると、ホンネだったのかもしれない▼その国会で「品位」が話題になった。昨夏の東京都知事選で選挙ポスターの掲示板が販売された問題を受けての公職選挙法改正の動き。与野党一致で改正案が提出されたが、ミソは品位を保つ規定が盛りこまれた点だ。このところ一部の候補者によって選挙が誹謗中傷の場に変じている。根っこにあるのはそれを面白がる風潮である。有権者の品位もまた問われている。(熊)
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