春よ、来い
2025年02月20日
ユーミンの愛称で親しまれている歌手の松任谷由実さんが、今秋から全国ツアーを開催すると発表した。来年1月に72歳を迎えることにちなんで72公演を予定しているという。年齢を考えれば、女性シンガーとしては快挙である。それを報じるスポーツ紙には、「72よ、来い」の見出しが躍った。もちろん、1994年のヒット曲「春よ、来い」のもじりである▼「春よ、遠き春よ」のフレーズが何とも印象的な美しい曲だ。歌詞に「春よ、来い」の言葉はない。けれども、「それは/それは/明日を超えて/いつか/いつか/きっと届く」という歌詞は、希望あふれる季節の訪れを待つ人にはエールとして響く▼これもまた、粋な「春よ、来い」である。大分県建設業協会国東支部はこのほど、今年度卒業する国東高校環境土木科3年生19人に「応援宣言」を手渡した。1月29日付弊紙の記事によると、就職、進学先での活躍を応援するとともに、Uターンで地元に帰ってきた折には、就職先などを全力でサポートする、という趣旨である▼吉田徹哉支部長は式典でこう語り掛けたという。「困った時には応援宣言を思い出し、国東に帰ってきたら、何とかなるということを忘れないで」。次のステージに向かおうとしている生徒たちの胸にあるのは、希望だけではあるまい。それと同じ総量の不安もあることだろう。そんな心に寄り添うような「帰ってきたら…」という言葉。どんなに心強く響いたことだろうと、つい想像してしまう▼「何とかなる」。同じ国東半島の大分空港と、大分市を結ぶホーバークラフトの運行を目指す大分第一ホーバードライブにも、このエールが届いてほしいと思う。安全運航に向けての厳しい試練が続く。今は産みの苦しみの時である。いつか、きっと春が来る。「春よ、来い」。(熊)