大分建設新聞

四方山

相撲技

2025年02月18日
 得意満面といったところであろうか。米国のトランプ大統領との首脳会談を終えた石破茂首相である。帰国後の読売新聞との単独インタビュー(2月11日付紙面)にこう語った。「トランプ氏は威圧的で強権的だというイメージがつくられているところがあるが、実像は違うと思う」。その発言には余裕すら感じられた▼先日の本欄で、石破氏が握手のマナーについて、外務省から特訓を受けていたことを記した。その秘策は、相手を引き寄せて握手するスタイルのトランプ氏に対抗して、左肘を肘掛けに置いたまま右手を出すというものだったという。実は、石破氏は大相撲の千秋楽で重さ40㌔の総理大臣杯を軽々と持ってみせたほどの力の持ち主。トランプ氏に引き寄せられずに済んだ▼相撲技でいう「反り手」で、トランプ氏と渡り合った石破氏。NHK世論調査の内閣支持率は、5ポイントアップの44%に。ところが、会談後のトランプ氏は友好ムードなど忘れてしまったかのように、日本製鉄によるUSスチールの買収計画について「手放したくない」と明確に否定。おまけに新たな自動車関税の発動を表明した▼石破氏にとっては、土俵から降りたところをいきなりうっちゃりを食らった格好だ。何も日本国だけでない。世界中がトランプ氏の発する言葉に揺さぶられている。ひと言でいえば、露骨な領土的野心である。中米パナマのパナマ運河やデンマーク領グリーンランド、さらには中東ガザ地区の獲得に再三言及している▼8000万人もの犠牲者を出した第2次世界大戦。世界は領土膨張の帝国主義的な考えを否定することで、戦後の国際社会を構築してきた。その約束事を自由主義諸国のリーダーである米国がうち捨て始めた。平和的共存という世界秩序は土俵際に追い込まれている。(熊)
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