大分建設新聞

四方山

楽しい日本

2025年02月06日
 笑い声が絶えなかったという。別府市の鶴見岳で1月26日に開かれた「大寒がまん大会」。零下5度という極寒の中で繰り広げられた競技は、氷の椅子に座ってのかき氷の早食い競争に、氷柱しがみつき競争など。見ている方が震えてきそうだが、白い息を吐きながら懸命に何ごとかに挑む姿はどこか神々しさすら感じられた▼それに引き換え青息吐息のがまん大会の様相となったのが、翌27日に東京・台場で開かれたフジテレビの記者会見だった。元タレントの中居正広さんの女性トラブルに端を発し、その舞台となったフジテレビの対応が厳しく問われる中での2回目の会見となったが、日付けをまたいだ10時間23分に及んだ。記者会見としてはギネス級の記録という▼会場で飛び交ったのは、記者からの怒声に罵声。とてもではないが、人の話を聞く態度ではなかった。声を張り上げた記者たちに全く共感しないが、彼らの怒りも分かる。壇上の同局幹部の中に、最高実力者と目される日枝久相談役の姿がなかったからだ▼社長、会長を歴任し、御年87歳。1980~90年代、「楽しくなければテレビじゃない」のスローガンを掲げ、民放トップの座に押し上げた立役者である。そのスローガンはたちまち時代の風潮となった。「まじめ」は「根暗」に言い換えられ、「まじめにコツコツ」から「楽しくなければ」が最大の価値観に変じた▼ある意味、日枝氏は時代の演出者なのだろう。その流れは今に続く。そして、究極の場面が自分さえ良ければという記者であふれかえった、あの会見ではなかったか。自らがつくった時代精神がブーメランとなって経営陣に襲いかかってきたのではあるまいか。翻って、石破茂首相が施政方針で掲げたスローガン「楽しい日本」を思う▼あまりにも軽薄過ぎはしないかと。(熊)
取材依頼はこちら
事業承継プラザ 切り替え
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP