大分建設新聞

四方山

道路陥没事故

2025年02月04日
 「新幹線のお医者さん」として親しまれたJR東海の点検車両「ドクターイエロー」が引退した。レール、架線、信号機などに異状がないかどうかを検査する7両編成の専用車両。新幹線をベースにしているが、車体は保守作業中であることを示すため、鮮やかな黄色で塗られている▼車内はハイテク機材が満載だ。とりわけ4号車の床下にはレーザー照射パネルが装備され、0・1㍉の単位でレールのゆがみを発見できるという。それも新幹線の営業速度で点検可能だったというから驚くばかり。ただ、最高速度は時速270㌔止まり。山陽新幹線では時速300㌔という近年の高速営業運転の流れに対応できず、一線を退くことに。今後は検査装置を積んだ最新の営業車両がその役割を担う▼一般道路にもドクターイエローがあれば…とつい想像してしまう。埼玉県八潮市の県道で起きた大規模陥没事故。映像に映し出された現場は、巨大な蟻地獄のよう。穴の幅は最大で約40㍍、深さも約15㍍に達するという。地下10㍍に埋設された下水道管が腐蝕で破損し、土砂が流入。土中に大きな空洞が生じて陥没につながったらしい▼コンクリート製の土管の厚さは、強度が十分の50㌢あったという。しかも埋設されたのは1983年で、標準耐用年数とされる50年までまだ余裕があった。それでも事故は起きた。つまりは、耐用年数といえども、設置当時の想定数値であり、実際の運用に伴い計算外の事態が生じるということであろう▼全国の下水道の総延長は、地球の円周の12倍に当たる約49万㌔。耐用年数を超える下水道は約3万㌔に達するという。国交省は全国自治体に総点検を要請したが、口だけで終わらせてはならない。安全・安心の根幹に関わる問題である。予算という裏付けの伴った施策は急務だろう。(熊)
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