大分建設新聞

四方山

カンニング

2025年01月28日
 今、話題の民放テレビ局の出身ではないが、元日本テレビアナウンサーの徳光和夫さん(83)といえば、涙もろい人情家で知られる人気アナウンサーの一人だ。チャリティー番組の「24時間テレビ」では1978年の放送開始からずっと番組に関わり続けており、多くの人に愛されている▼およそ不正とは無縁の人柄だが、徳光さんはかつて出演した番組内でカンニングを告白したことがあった。カンニングペーパーをつくる手口なのだが、粉薬を飲む際に使われるオブラート紙に書き込んでいたという。見つかりそうになれば、飲み込んで証拠隠滅を図る算段だったとか。外見とは違って、なかなかの知能犯ぶりだ▼いかにも謹厳実直そうな肖像写真で知られる作家の夏目漱石も、大学予備門(現在の東京大学教養学部)の入試で、苦手の数学の試験では隣の受験生の回答文を見て書いたと、随筆で振り返っている。自身の将来を決定しかねない入学試験ともなれば、文豪と言えどもなり振り構わない心境だったのかもしれぬ▼入学試験たけなわである。カンニングもスマホを使うなど巧妙化し、学校側も不正防止対策に頭を抱えている。そんな折も折、県内の公立高校が部活動強化のため、2023年推薦入試で、特定の生徒に対して加点していた事実が明るみに出た。公正な入試制度を維持すべき学校側が不正に手を染めていたわけである▼文部科学省が不適切と判断、県教委に改善指示を文書で発出した。その時期は昨年1月のこと。要は1年にわたって隠ぺいしていたわけである。オブラートに包んで飲み込んだつもりだったのだろう。しかも、国を巻き込んでの騒ぎに発展したというのに、詳細は明らかにされず、校長らへの処分も見送られた▼県の教育行政を司る機関として、正しい判断なのだろうか。(熊)
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