来年は大きな一歩へ
2024年12月26日
作家、池井戸潤さんといえば、当代を代表する人気作家の一人だ。町工場の奮闘を描いた「下町ロケット」、メーカーの不正に材をとった「空飛ぶタイヤ」など映像化された作品も多い。中でも正義派の銀行マンを主役に据えた「半沢直樹」シリーズは、「倍返しだ!!」の決めゼリフとともに広く支持を集めた▼その池井戸さん事務所の公式X(旧ツイッター)にこんなメッセージが載った。「『半沢頭取が半沢直樹の名前の由来』との誤解が広がっておりますが(中略)知り合いの名前をもじったもの」。半沢頭取とは、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取のことだ。同行行員が貸金庫から顧客の時価十数億円の資産を盗んだとして、謝罪会見などに追われている▼池井戸さん自身、同行(当時は三菱銀行)での勤務経験があり、半沢頭取をめぐっては「半沢直樹モデル説」が流れていた。Xはそれを明確に否定した。それはそうだろう。発覚から会見まで1カ月近くを要し、おまけにいまだ刑事告訴はしていない。曲がったことを許さない半沢直樹とは真逆である。コンプライアンス(法令遵守)が叫ばれている中、「臭い物にはふた」という発想から脱皮できないのだろう▼来年は巳年。ヘビが古い皮を脱ぎ捨てて生まれ変わるように、「復活・再生」の年とされる。60年で一回りする十干十二支でみると乙巳。劇的な変化が起きる年とも言われているらしい。日本という国を形作った大化の改新(645年)も乙巳の年に起きた大事件だった▼直近の1965年は、東京五輪の翌年ということで高度成長路線が一段と加速した。同じように2025年も未来を見据えた大きな一歩を踏み出す年にしたい▼私たちも業界発展に向けて全力を尽くすことをお誓いする。変わらぬご愛顧のほどをお願いしたい。(熊)