大分建設新聞

四方山

仕事に感謝

2024年11月20日
 ある人が「職」は「食」という。一生懸命に働いてこそ食にありつける事を指すらしい。私の実家は農業で、子どもの頃は「働かざる者、食うべからず」などと父親に言われ続けていたが、その頃の小さな自分は、農作業を手伝っても、手伝っても、楽にならず、じっと手を見ずに親を見た▼最近、毎日、報道で取り上げられている「年収の壁」。この壁には、103万、106万、130万とあるようだが、新聞やテレビを見ていると「壁」を「崖」と表現する評論家も。各政党では「年収の壁を引き上げよう」「手取りを増やそう」、また「消費税をなくそう」など政策の方針を打ち出したが、それによって不足する財源は何処から補うのか。結果、私の手取りが減ってしまっては壁なんてあったもんじゃない。まさに「崖っぷち」である▼1990年前後、テレビで「24時間戦えますか」とドリンク剤のCMを多く見た。その30年後に働き方改革がスタート。週休2日制や残業規制の導入など働く環境は大きく変化している。が、便利な機器が発達してきた反面、忙しさは変わっていない。二宮金次郎(1787~1856)が、まきを積んだ背板を背負って本を読みながら歩く姿は、現在、歩きスマホに変わっている。変化したのは、小学校の校庭から銅像が撤去されただけだ▼23日は、国民の祝日の一つで「勤労感謝の日」である。「勤労を大切に重んじて、生産を祝い、国民がお互いに感謝し合う」ことを趣旨としている。もう少し知識を深めるなら、農業を主体とする日本は、古くから神々に五穀の収穫を祝う風習があったが、戦前、この日は宮中祭祀の一つ新嘗祭の日で、天皇が新しく収穫された穀物を食べて、その年の収穫を感謝する儀式が行われていた▼働ける幸せ、いまの仕事に感謝。(勇)
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