大分建設新聞

四方山

新聞、テレビは敗北か

2024年11月19日
 国東市の大分空港と、大分市を結ぶホーバークラフトがいよいよ運行開始となる。待ちかねていた人たちも多いことだろう。ここまでの道のりは平坦ではなかった。訓練中の事故や、それに伴う船体の修理などもあった。そうした苦難を経ての国からの運行許可。素直に喜びたい▼かつて大分空港といえばホーバーだった。それが大分空港道路の開通によって利用客が減少し、2009年にいったんは廃止に。15年ぶりの再浮上である。実は、ホーバーの定期船運航は日本ではもちろん、世界的にも珍しいという。ホーバー目当てに訪れる観光客もいることだろう。単に交通手段としてだけでなく、新たな観光資源の誕生と期待されるゆえんだ▼こちらの方はわずか2カ月足らずでの、それも当初は予想もされていなかった〝再浮上〟である。知事選としてはかつてないほど全国的に注目を集めた兵庫県知事選。県議会全会一致で不信任を突きつけられた末に、失職に追い込まれた斎藤元彦氏が返り咲いた。「パワハラ、おねだり知事」などとやゆされ、告発した元幹部職員の自死が報じられるや、バッシングの嵐が巻き起こった▼選挙告示前の各種メディアの世論調査では、敗北必至の情勢だったと聞く。斎藤氏はX(旧ツイッター)などネット交流サービス(SNS)を使った選挙戦を展開し、〈議会などの「既得権益」に対抗する候補者〉というイメージづくりに成功、奇跡の大逆転劇を演じた▼報道各社の事前の選挙予測が大外れし、いわゆる批判報道が意味をなさなかったことから、新聞、テレビなどの伝統的メディアが、ネットという新メディアに敗北した、とも指摘される。時代の流れなのであろう。だが、そのネットには陰謀論的な情報が飛び交う。真偽を見極める目がますます重要な時代になった。(熊)
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