大分建設新聞

四方山

夏休み

2024年09月06日
 大型連休や夏休み明けなどは、子どもの自殺や不登校が増えるという。自分が子どもの頃は、夏休みの宿題に「夏の友」があって、夏休みは休むためにあるのに休ませてくれない「夏の友」は友ではないと、子ども心に思ったものだ▼宿題の中で、算数や国語は、親に教えてもらえば簡単に出来ていたが、一番苦労したのが絵日記だ。自分は絵を描くのが下手だったので絵日記を描いた覚えがない。自由研究の工作なども不器用なので作った覚えがない。だから、休み明けの初日は先生への言い訳を考えるのに憂鬱で、それこそ死んでしまいたいと思ったものだ▼今考えると、宿題を完璧にこなす子どもなどいなかったので、先生も心得ていて余り叱らなかったと記憶している。子ども心にプライドがあり出来ない自分を認めたくなくて、死んでしまいたいと思ったのではないか▼そもそも学校ができたのは、子どもを社会人に育てるためで、必要な読み書きそろばんなどの知識を教え、体力をつけさせることと併せて時間や期限を守る、あいさつをするなどの社会ルールを教える中、何故、長い夏休みがあるのか。しかも宿題付き、朝のラジオ体操ときた▼脳科学者の茂木健一郎氏は「夏休みの本質は、ぼんやりすること、惚けることだと思う。普段とは違うことをやって、ぼーっとする。そのことに夏休みの価値があって、学期と同じようなことをするのは、夏休みの趣旨に反している。夏の間は、みーんみーん、ジリジリとぼんやりしていて、新学期とともにハッととするのが良い」と言っておられるが、激しく同意する▼宿題を出さない学校もあると聞くが、親の心配をよそに、子どもには宿題など糞くらえで長い夏休みを短く感じるぐらい遊び惚けるがよい。2学期は元気に登校してほしい。(筋)
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