大分建設新聞

四方山

台風10号

2024年09月03日
 台風の話が続いて申し訳ない。私の体験を書かせてもらう。私の自宅は大分市旧佐賀関地区にある。大分市内在住者には8月29日に「小猫川が氾濫するおそれあり」として、緊急速報メールが届いただろう。その小猫川の下流に自宅がある▼メールが届く前から、すでに自宅から1㌔ほど上流では川の水が溢れ、民家に迫っていた。この溢れた場所は、数年前の台風でも溢れた。しかし、民家に被害が出なかったのは、川沿いにある田んぼが多くの水を受け止めてくれたからだ。生産者には申し訳ないが、まさに「田んぼダム」と言えるだろう▼わが家周辺でも水路が溢れ、小猫川もあと1~2㍍で溢れるレベルまでになった。メールが届いてから、消防車と大分市の車が避難を呼び掛けに来た。素早い対応である。とりあえず、車1台を高台へ避難させ、防災用品をもう1台の車に積み込む前後に雨が止んだ。小猫川を確認すると、水位が徐々に下がってきたので、周囲の安全を確認して、各情報を見ながら家で待機した▼自宅近くには国道197号が通っている。そこの交差点は、過去、大雨の時に小猫川とは別の川の水で冠水したことがあった。冠水すると佐賀関の住民をはじめ、四国からのフェリー客が大分市内へ行く場合、臼杵市方面へ大きく迂回しなければならないが、大分市の浸水対策事業のおかげで冠水することがなくなり、今回もなかった▼同事業では数本の排水路が整備され、排水路横に管理道路が設けられた。近隣住民がよく散歩しており、地域のふれあいの道となっている。わが家の愛犬もお気に入りの散歩コースだ▼台風では県内各地で被害が出た。私も取材で動いたが、激しい雨の中、山間部で道路を啓開する建設業者などを目にした。まさに「地域を守る建設業」である。(せい)
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