大分建設新聞

四方山

台風と永田町の迷走

2024年09月02日
 日本列島を縦断した台風10号は、各地に大きな被害をもたらした。記録的な降水量となった県内では各地で土砂崩れが発生し、生活道路などが寸断された。大分自動車道由布岳パーキングエリア付近では、崩れた土砂が道路に流れ込んだ。多数の家屋で浸水被害が生じたようだ。被災地域の皆さまには心からお見舞い申し上げたい▼台風10号はジョギング並みのゆっくりとした速度で、その分激しい雨は長時間にわたり、想定外の水害を引き起こした。加えて進路は読みづらく、単純に列島を駆け上がるのではなく、時には停滞するなど、気象庁の予報も何度となく修正を余儀なくされた。この迷走ぶり、なにやら永田町の動きに共振しているような気配も見られる▼9月27日投開票の自民党総裁選。小泉進次郎元環境相は当初、自身が初当選した2009年の衆院選挙の投票日にあやかって8月30日に出馬表明する予定だったが、台風の影響で9月6日に延期されることに。験を担いだはずだったのに、何やら出鼻をくじかれた格好だ▼高市早苗経済安全保障担当相らの出馬表明も延期される事態に。何しろ11人の名前が候補者として挙がっているだけに、話題にこと欠かない。「こんなはずでは…」という恨み節が聞こえてきそうなのが9月23日に代表戦が行われる立憲民主党だ。再選を目指す泉健太代表に、枝野幸男前代表と野田佳彦元首相が挑む構図だ▼「昔の名前で出ています」といった観で新鮮味はない。岸田文雄元首相が退陣表明をしなければ「政権交代」のスローガンで国民の関心を集められたかもしれないが、新人が争う自民総裁選に比べると見劣りする。注目されたのは「どじょう内閣」と呼ばれた野田氏の「世襲の金魚に立ち向かうどじょうでありたい」という発言ぐらい。ちょっと寂しい。(熊)
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