大分建設新聞

四方山

台風と進路

2024年08月30日
 台風10号による被害状況が明らかになりつつある。被害に遭われた皆さまに謹んでお見舞いを申し上げます。県の発表(30日7時現在、第4報)によると、軽傷者2人、住宅被害(床上浸水など)75棟のほか、高速道路の全面通行止め7件、河川被害1件(国東市安岐川の護岸崩壊)、土砂被害3件(由布市のがけ崩れなど)、ライフラインは停電約1730戸、断水70戸などが報告されている▼先週の段階では関東を抜ける予報に安心していた九州人は少なくなかったのではないか。台風10号は日本に接近する前から進路予報に迷いが見られた。アメリカ、イギリス、カナダなどの機関が予想する進路まで持ち出された。それだけ予想外の動きをしているのだろう▼また、被害報道で驚かされたのは、台風から遠く離れた場所でも災害が発生していること。静岡の大雨による大規模な冠水、愛知の土砂崩れ、徳島の住宅の屋根崩れ…東京、埼玉、神奈川などにも土砂災害警戒警報が出ている。全国的に警戒が必要だ▼30日正午現在、台風は上陸時の960ヘクトパスカルから994ヘクトパスカルまで勢力を落とし、山口県柳井市付近をゆっくりと北東へ進んでいる。風の影響は衰えたものの、雨台風としての力は十分に維持している。依然、大雨に警戒が必要だ。四国から近畿付近で迷走・停滞の可能性もあり、同じ場所に長く留まると局地的に雨量が想定以上になることも考えられる▼複雑な動きをする「迷走台風」や「逆走台風」という前例もあり、進路変更には目が離せない。大切なのは最新情報をこまめにチェックすること。できれば普段から複数の天気予報アプリなどで週間予報を見て、実際の天気と比較すると何となく予想がつくようになるそうだ。九州に舞い戻る可能性もあることは覚えておいてよい。(コデ)
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