大分建設新聞

四方山

人馬一体の勇姿

2024年08月02日
 7月24日から競技が始まったパリオリンピック2024。8月11日までの17日間に32競技329種目が行われている。時差で多くの競技が日本時間の深夜に行われているが、日本人選手の大活躍で各種競技の応援に熱は冷めない。日中の猛烈な暑さに加え、夜は熱帯夜、さらに選手の応援で手に汗を握っている▼競技も中盤になり、連日さまざまな感動を受けている。7月29日は馬術の総合馬術団体で、実に92年ぶりとなる銅メダルを獲得した。「人馬一体」と呼ばれるように「騎手と馬とが一つの体になったかのように、巧に乗りこなす」この総合馬術は、馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の3種目からなる。見事、メダルに輝いたのは大岩義明選手、戸本一真選手、北島隆三選手に加えて、今回はリザーブとなった田中利幸選手の4人だ▼快挙となるメダル獲得とあって、92年前に時の人となったのはいったい誰なのか。その名は西竹一、愛称はバロン西。1902(明治35)年東京都出身の陸軍軍人。中尉時代の32(昭和7)年ロサンゼルスオリンピック馬術障害飛越競技に愛馬ウラヌスとともに出場して、金メダリストとなった。彼は、太平洋戦争末期の45年3月に戦車第26連隊長として硫黄島の戦いで戦死している(死後、陸軍大佐に昇進)。享年42▼普段、馬術競技はあまり目にすることがない。人馬を目にするのはテレビで競馬を見るか、湯布院で乗馬クラブの風景を眺めるくらいのことである。しかし、今回のパリオリンピックで、日本が銅メダルを獲得したことによる快挙は、当時の西竹一さんも大変喜んでいることだろうし、彼自身が92年の時を経て、再び当時の姿を報道されるとは思っていなかったと思う▼令和に、人馬一体で障害物を飛び越えるあの勇姿。かっこいいですね~。(勇)
取材依頼はこちら
フォトkンテスト
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP