大分建設新聞

四方山

台湾派

2024年07月10日
 台湾紙によると、台湾の頼清徳総統は7日、安倍晋三元首相の3回忌に合わせて東京で開かれた集会にビデオメッセージを送り、日台関係に尽力したことに感謝するとともに、台湾は日本の良きパートナー関係であることを強調した。一方、自民党の参院議員による台湾訪問団一行8人は、2日から5日の日程で高雄市の安倍氏の銅像を訪れて冥福を祈った▼今なお安倍氏の偉業は台湾側でもたたえられていることに驚く。安倍氏の祖父は親台湾派の岸伸介元首相で、安倍晋太郎元外相を経てその流れを引き継いだ形である。安倍氏弟の岸信夫元防衛大臣も例外なく親台湾派。防衛相に就任前は頻繁に台湾を訪れていて、10年ほど前に台北にある日系のホテルから1人で外出する姿を見かけたこともある▼親台湾派といえば、安倍派をかつて率いていた森喜朗元総理も親台湾派で、首相を退いた後に訪台した際、在台日本人記者を対象に記者会見を開いたことがある。一国会議員だった時のことで、その際に対中関係を語る際、あるエピソードを紹介した。中国の対中政策を主管する中国国務院台湾事務弁公室の役人から「最近よく台湾に行かれますね」と牽制ともとれる言葉を投げかけられたという。「何気ない言葉ではあるが、中国は私の動きを常に監視しているようだ」と話した▼中国政府の情報管理の一端が垣間見えた気がしたが、親台湾派重鎮の森氏でさえ国台弁から接触があるのだから、親中国派の国会議員や政府関係者にはどのくらい働き掛けがあるのかと思うと、やり切れない心持ちになる▼日本の国益に叶うような中国からの働き掛けなら歓迎だが、到底考えられない。熊本県菊陽町に進出した半導体受託製造の台湾企業TSMC(台湾積体電路製造)のごとく巨額の資本投下なら話は別だが…。(ゴウ)
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