大分建設新聞

四方山

ハラスメント社会

2024年06月06日
 「絶対、クビにしてやる」「『お世話になっています』と言え」。その筋の方としか思えないような言葉遣い。北海道選出の自民党参院議員が道職員らを罵倒する際に投げかけた暴言だという。中央省庁の官僚にも同じ態度だったと毎日新聞5月15日付紙面は報じ、「辞職すべきだ」という官僚の怒りの声を伝えている▼自治体職員、中央官僚にも分け隔てなく接していたという意味では「公平な人柄」という見方もできるが、根っからのパワハラ体質と見た方がよさそう。よく言われるように、議員バッジが「人より偉い」という自意識を増長させるのかもしれない▼別府市議会は、議員による職員らへのハラスメントを防ぐための条例制定に向けて準備を進めている。先の参院議員のパワハラ問題を他山の石として、自浄に向けた取り組みとして評価したい。職員に対する暴言などだけでなく、女性議員だけにお茶くみをさせる慣例や、議員間の上から目線的な言動もハラスメントとして、協議の対象になっているという▼それにしても、気が付いてみれば世の中、ハラスメントだらけである。つい最近までパワハラ、セクハラぐらいかと思っていたが、客が従業員に無理難題の要求をするカスハラが社会問題になるなど続々と新種が登場している。スメハラは臭いで不快にさせる行為のこと。疾病のせいで体臭が強い人もいるだろう。逆にモラハラに当たるのではと心配になる▼最近、話題なのがフキハラ。ため息で周囲に嫌な思いをさせる、不機嫌ハラスメントの略とか。笑い出しそうになるが、これでは一億総ハラスメント時代である。もっと言えば、国民がおしなべて日々の生活に不満、不安を抱えているということであろう。もしかしてポリティックス(政治)ハラスメント?ポリハラのせいでは?(熊)
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