大分建設新聞

四方山

地図アプリ

2024年05月27日
 華々しい登場から数年が経ったところで、5G対応の新しいスマートフォンを手に入れた。これまで愛用していたものが4G対応の機種だったので、検索機能やアプリを試してみたが、やはり速い。問題は、私がこれを使いこなせるかどうかだ。そもそも入力の速度からして、最近のZ世代に比べるとはるかに遅い▼会話はもちろんだが、最も利用頻度が高いのが地図アプリだ。はるか昔は、県や市町村ごとに地図本を購入し、訪問先の住所を固定電話で聞いてあらかじめ確認してから所要時間を逆算して行くのが常だった。それでも往々にして迷ったものだ。ただ、その癖は今でも直っているとは言い難い▼スマートフォンの地図アプリを参考にして行きたい場所に向かうのだが、表示されているルートとは逆方向に歩いてしまうことなどしばしばで、余裕を持って出発したはずなのにイベントの開始時間に遅れそうになることもあった。そもそも方向感覚が鈍いのだ▼これはスマートフォンのアプリ利用に限ったことではない。還暦を迎えてから、ほぼ毎日自動車を使う暮らしに様変わりしたが、カーナビのサポートがあっても新しい場所にうまくたどり着けないことがよくある。訪問先近辺で「目的地に到着しました。案内を終了します」と音声が出ると「どこだろう」と悩んでしまう▼見るに見かねた高齢の親から言われた。「詳しい地図を買ってきて、地名と道路、建物を憶えておけ。そっちに曲がると賀来じゃあ」。早速、書店で地図を購入し、行先を念入りに調べることにした▼最近も、あるはずの宗麟大橋がカーナビの画面に表示されず、思わず苦笑した。「ここ、どこだよ」。地図アプリやカーナビに頼り切らず、道路と標識でたどり着けるよう頭と体を鍛錬すること。この年齢にして、人生は挑戦の連続だ。(康)
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