大分建設新聞

四方山

食に命を懸ける

2024年05月24日
 6月中旬には、県内も梅雨入りかな。一日一日と徐々に蒸し暑さが増している。朝は涼しくても、午後になると気温が上りムシムシ。お会いする人との会話では「今年の夏は例年にない暑さになる」と予言する人が多い。また「集中豪雨や台風被害も多いのでは?」と語る人もいる。暖冬であったがために、より一層、感じるのではなかろうか▼旬の味覚を味わうには、今の時季にだけ収穫できる「淡竹(ハチク)」がある。淡竹は、中国原産のタケノコで表面の皮は茶色。40~50㌢程伸びたタケノコをカマで切って収穫する。おそらく県内のタケノコで一番美味しいのは淡竹だろう。大分の名物「だんご汁」に入れると最高だ。先日、昼の弁当は、実家で採れた淡竹のタケノコご飯だったが「やはり、旬の味覚はうまい」▼東北では、山菜採りに出掛けてクマに襲われた事件が多発している。それは山菜を巡ってクマとの競争が起こっているのも一つの原因だが、こちら大分でもイノシシとの競争だ。イノシシはあくの少ない淡竹のタケノコを好んで食べるため、目的を同じくした二者が山で遭遇することがある。イノシシは猪突猛進とことわざにある通り、敵に対して真っすぐに向かって来る▼今年も数頭に遭遇した。自分が竹林にいる状況を想像してほしい。護身用の棒を持っても振り回すことは不可能だ。にもまして身体が大きいとなれば竹の間を走り抜けることもほぼ不可能。私には「食」に対する命が懸かっている。そこで考えたのが猪突猛進に対抗するため日本古来の「竹やり」戦法だ。大きな身体から発する奇声と竹やりで応戦すると、さすがのイノシシも向かって来れずに退散した▼「食」に命を懸ける私に、社内では「食べる事になると大変うるさい」という。向こうから「職」に命を懸けろと小声が。(勇)
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