「仕事柄、天気予報は見ていますよね。では、宇宙の天気を気にしたことありますか」。今月になりその宇宙天気が注目を集めている。理由は、８日から起きた「大規模太陽フレア発生」だ▼太陽フレアは太陽の表面で起きる爆発のこと。爆発により、太陽から粒子などが大量に放出され、地球に早いもので８分、遅くても数日で届く。この放出が大規模になれば、無線や携帯電話の電波、ＧＰＳなどに影響を及ぼすこともある。オーロラも太陽フレアが地球に到達するから見られるのだ▼今回の太陽フレア発生は、規模的に最大クラスとされニュースにもなった。無線などの障害が起きたという話は耳にしたが、21日には日本農業新聞がＧＰＳの不具合で、アメリカでは農業機械の自動操舵機能が使えなくなったと報じた。日本でも同様の報告があり、自動田植え機で植えた稲が曲がっていたという▼総務省も太陽フレア発生などの宇宙天気について議論し、天気予報のように予報や警報を出す仕組みづくりを進めている。総務省が想定する宇宙天気による災害では、最悪で通信・放送が２週間断続的に使えない、携帯電話が一部でサービス停止、人工衛星の不具合、広域で停電発生などが挙げられている。スマホが使えないと考えただけでゾッとした人はいませんか▼現在の生活に電子機器は欠かせない。「サバイバルファミリー」という日本映画がある。ある日突然、日本中ですべての電子機器が使えなくなり、東京住まいの家族が生きるため、親族がいる鹿児島まで自転車などで移動するというストーリーだ。太陽フレア発生で、この映画を思い出した人もいるかもしれない▼私たちは地震、津波、豪雨、台風など地球上で起きる自然災害に加え、宇宙からの災害もあるということを忘れてはならない。（せい）