大分建設新聞

四方山

台湾有事

2024年05月20日
 台湾有事の際、台湾から至近距離の沖縄県・先島諸島(石垣市、宮古島市、竹富町、与那国町、多良間村)の住民避難について、政府が策定中の計画が4月25日に開かれた自民党のプロジェクトチームに試算結果が公表された。それによると、九州・山口各県で36万7000人が収容可能であるとし、大分県は約3万2000人が受け入れ可能であるという。先島諸島の住民11万人と観光客1万人が対象で、航空機を使用して運ぶ計画▼多くの大分県民にとっては寝耳に水といったところだが、政府は昨年12月から九州・山口の各県にどのくらい収容人数が可能かといった調査を依頼していた。ホテルや旅館、公営住宅を中心にしたある程度居住性が保たれる施設を抽出した。政府は今後、九州地方知事会議を開催して、各県の受け入れ計画の策定を推し進める▼台湾有事は故安倍晋三元首相が2021年12月に公言してクローズアップされた。それ以降、極東最大の米軍基地である沖縄県を中心に有事の際の避難についての論議が起こっており、台湾から110㌔しか離れていない与那国町では住民避難訓練が行われ、町はシェルター設置に向け検討に入った▼米国は中国が台湾を攻撃した場合、米軍が参戦するかどうかは示しておらず曖昧にしているが、昨今の米中対立深化でその可能性が高まっているとみられる。中国軍へ攻撃を仕掛けることは必死である。そうなると在日米軍基地が報復攻撃を受ける。それは極東最大の米軍嘉手納基地だけではない。山口県の岩国基地や長崎県の佐世保基地などの米軍施設も標的になる。そして自衛隊も米軍と共同作戦に入ることは必至で、全国の自衛隊駐屯地も狙われる▼全国が戦場になると住民避難に迫られる地域は増えるが、台湾有事と無関係ではいられない。(ゴウ)
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