大分建設新聞

四方山

九州が世界を制す

2024年05月07日
 「半導体を制すは世界を制す」という。かつて日本の半導体産業は世界のトップを走っていた。が、いつの間にか大きく後退。今、再び世界のトップを目指して日進月歩の競争を繰り広げている。その半導体生産拠点となっているのが九州だ▼今年2月24日、熊本県菊陽町で世界最大手の半導体メーカー、TSMC第一工場が完成した。続いて、第二工場(投資額2兆850億円)も建設するとして政府が最大7320億円を補助する方針で、2027年末の稼働開始を目指す。菊陽町周辺では、人口が増え、住宅や商業施設の建設ラッシュが起きている▼報道によると、九州の主な半導体関連による投資は、福岡でローム・アポロが200億円、佐賀でSUMKOが推計2250億円、長崎で京セラが620億円、ソニーセミコンダクタソリューションズが9000億円(4拠点合計)、熊本県菊池市で三菱電機が1000億円、宮崎でラピスセミコンダクタが3000億円、鹿児島で京セラが735億円を見込んでいる。大分では富士通ゼネラルエレクトロニクスが15億円を投資するという▼半導体生産に関連するかどうかは別として、県内でも産業用地の確保が盛んになっている。日田市では今年度当初予算で工業団地適地調査に約1100万円を計上した。企業誘致するため団地造成を視野に適地調査を実施し5~15㌶の候補地3カ所程度を選定する方針だ。また、臼杵市は広域道路の整備に伴って野津東部工業用地の整備を進めるほか、杵築市は旧ゴルフ場建設予定地だった八坂・東地区工業団地が進行中だ▼工場建設には、水の確保が必要となる。熊本県は阿蘇の伏流水などきれいな水資源が豊富であり、浄化コストが掛からないという▼「水は石油より重し」。半導体生産の拠点となる九州が世界を制す。(勇)
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