大分建設新聞

四方山

コンビニコーヒー

2024年04月10日
 コンビニに寄ると、つい買ってしまうのがドリップ式のコーヒーだ。2013年にセブンイレブンが店頭にコーヒーマシンを導入して以降、各社が競い合うように参入し、いまや全国数万店を数えるコンビニの店頭でドリップ式コーヒーが提供されるようになった。缶コーヒーより安い価格で、ひきたて、入れたてというのだからありがたい▼どうやら多くの喫煙者にとって、コーヒーとたばこはセットのようだ。旦那に限らず多くの人が「〇番一つと、あとコーヒーレギュラーで」と、流れるように注文する。カップをセットしてボタンを押し、しばし抽出を待つ。出来上がりを持って車に乗り込むと、途端に車内が良い香りで満たされる。あぁ、書いているだけで飲みたくなってきた▼話は変わってその旦那だが、彼は「ブラックコーヒーとたばこを買うことがかっこいい」と思っている。だが実際はコーヒーより紅茶が好きで、本当はメロンソーダが大好きだ。コーヒーであればカフェオレ(砂糖入り)しか飲めない。だが、店員の女性に小さな見栄を張ってブラックコーヒーを買う。何とも無駄。しかしお小遣いの範囲なので黙っている▼先日、一緒にコンビニへ入る機会があり、例のコーヒーを購入することになった。「アイスコーヒーにしよう」と冷凍庫から氷入りカップを取り出すと、私にカフェラテを取るように促してくる。不審に思いつつ従うと、まるで自分がブラック、私がカフェラテかのように精算台に置く。「さては、自分がブラックだとかっこつけたいのだな」とにらみつける▼抽出が終わり、もういいだろうとブラックに手を伸ばすと、小声で「おい、気を抜くな」と言う。車に乗るやいなや、いそいそと交換し、甘いカフェオレを楽しんでいる。何だこのプライドの高い生き物は。(万)
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