大分建設新聞

四方山

車社会

2024年04月05日
 約40年暮らした東京から大分に帰ってきた。知らぬうちに郊外の大型ショッピングモールが整備されており、大分駅周辺は再開発の真っ最中だ。すぐに、どこに行くにも車が必要な暮らしが始まった。同僚とともに立ち飲み屋で他愛もない話をして、カラオケ店で歌い、終電近くでぎりぎり帰宅するという生活とはさよならした▼「乗るなら飲むな」を生活習慣にして約1ヵ月。以前の暮らしが時折懐かしくなるが、家族から監視されていることもあり、飲酒の日数と量が激減し、極めて健康的な生活になった。さらば酒浸りの日々、こんにちは心身にやさしい毎日▼遠方への出張で、1カ月に1回程度はレンタカーを運転していたが、拙い運転でも何とかなっていた。おおむね広い駐車スペースとカーナビによるサポートがあったからだ。しかし、暮らしは一変し、日々車庫入れが必要になった。大分に戻ることを決めてから約半年間、車庫入れを特訓した。ペーパードライバー教習の教官から「かろうじて初心者レベルはクリア」と言われた▼カーナビも万年初心者には大変ありがたかったが、ほろ苦い記憶もある。首都高に乗り入れたときにカーナビが「次、進路左方面です」と告げているにもかかわらず、同乗した同僚が「カーナビが間違ってます。次、右方面」と言って聞かないので、右方面に切り替えたところ、群馬方面に行かなければならないのに横浜方面に向かってしまった。やるせなさが溢れた▼先日、映画で有名になった北海道の駅が、廃線により交通拠点としての役目を終えたことを聴いた。しんみりとしたが、これも現実。これからはバスが公共交通の主な役目を担うという。道路は産業と暮らしの要として存在感を増している。大切に安全に使おう。それを支える多くの方に感謝を込めて。(康)
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