大分建設新聞

四方山

2月29日

2024年03月07日
 俗に「二月は逃げて走る」とも言われる。他の月に比べて日にちが短いことのたとえである。4年に1度のうるう年の今年、1日増えたが、やはり2月はあっという間に終わった感じがする。2月29日という、いつもよりも1日多い「うるう日」だが、ネットの社会ならではのトラブルも頻発した▼愛媛、岡山、新潟、神奈川の4県警の運転免許証発行のシステムがダウンし、免許証の発行業務ができないトラブルに見舞われた。一部の保険会社ではオンラインでの一部手続きが行えなくなった。システム構築の際、うるう日を考慮していなかったのが原因。4年に1回ということで忘れてしまったのだろうか▼テレビの長寿旅番組のリポーターとして知られたジャーナリストの兼高かおるさんは生涯現役を貫き90歳の長寿で2019年に他界したが、健康の秘訣を問われると「私は4年に1度しか年をとならない」と煙に巻いていたという。2月29日の生まれだった。本人は特別な日に生まれたと、誇っていたともいう▼英国など欧州の一部の国ではかつて2月29日は、未婚の女性が男性にプロポーズできる日として定着していたという。女性の権利が認められていなかった時代の話だ。4年に1度しか巡ってこない2月29日は男女が対等に渡り合える日だった。あの「規格外の男」も、そんな逸話を知っていたのだろうか。米大リーグの大谷翔平選手である▼まさにこの日に結婚していたことを発表し日本中大騒ぎになった。米国ではうるう日を「leap day」と呼ぶ。直訳すれば「跳躍の日」である。平年の翌年の曜日は1日しかずれないが、うるう年の翌年は2日ずれることにちなむ。さらなる飛躍への誓いが込められていたのかもしれない。ぜひ活躍して、この日本を奮い立たせてもらいたいものだ。(熊)
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