大分建設新聞

四方山

シイタケが一番

2024年01月26日
 大分の特産品と言えば何といっても「シイタケ」だ。寒い冬には鍋料理に欠かせない食材となっている。が、一番の食べ方は、炭火で焼いて食べるのが大変良い。裏返したシイタケのかさに少々の醤油や塩、またはバターで焼いて味わうのが最高である▼このシイタケを食卓で口にするまで、生産者は大変な苦労をする事は言うまでもない。秋が深まり紅葉が終わろうとする時季にクヌギやナラなどの樹木を伐採する。現在はチェーンソーで伐採するのだが、昔の山師はノコとヨキ(一般にまき割りに使う道具)で伐採していた。高さ数十㍍ある樹木を切り倒すのだから死亡事故も多く、非常に危険な作業だ▼伐採された木は1カ月以上乾燥させる。そして年明けの1月ごろから枝を落として規定の寸法に切る「玉切り」が始まる。この作業中に折り重なった枝が跳ね上がったりしてけがをする人も多い。玉切りした後、3月の初春ごろから玉切りされた原木にシイタケ菌を植えこむ「駒打ち」が4月ごろまで行われる▼電動ドリルで開けた直径1㌢、深さ2㌢ほどの穴に、シイタケ菌のもととなる種コマを打ち込み、約1年半かけて原木に菌が回るようになる。昔は、ナタ目を入れて黄砂とともに中国大陸から飛んでくるシイタケ菌で、種付けしていたという。シイタケは中国から伝わってきたとされ、日本でも栽培されるようになった▼原木をハンマーで叩いたり、地面に叩きつけたりすると菌が刺激されて、シイタケの発生が促進されるという。これまで「雷の後、よく発生する」と言われてきたようだが、電気を流すと収量が増えるという研究結果も発表されているから面白い▼今、駒打ちの準備(玉切り)が始まっている。今年も生産者の安全を願って、おいしいどんこシイタケがいただけますように。(勇)
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