大分建設新聞

四方山

空き家

2024年01月17日
 正月に帰省した際、近所の変わった様子に気付いた。5戸の隣近所の家々に、駐車されている車が少ない。正月は遠方に住んでいる子どもたち(主に同級生だったりする)が帰ってきて、近くの空き地が駐車場に様相を変えるのだが、今年はスカスカだった▼母に尋ねると、隣の家は子どもが福岡で家を新築したので、同居のため転居したらしい。そのもう一つ隣の家は、一人暮らしのおじいさんが入院中。逆サイドの隣の家は皆さんお元気そうだが、そのもう一つ隣の一人暮らしのおばあさんは、昨年亡くなったのだと言う。そしてその横、二つ隣の家の高齢者夫婦は、そろって施設に入居したらしい。つまり5戸中3戸が空き家状態となっているわけだ▼思えば昔は、正月のたこ揚げをする子どもたちを窓から眺めていた気がする。だが今は犬の鳴き声が聞こえるくらいで、なんとも静か。子どもが減り、空き家が増えている―それを年の初めから、こんなに実感することになるとは▼昨年12月13日には、空き家特措法改正が施行された。これにより、管理不全空き家(窓が割れている、動物が住み着いているなど、放置すると周囲に悪影響を与える、危険な特定空き家になる可能性のある家)の所有者が指導に従わず勧告を受けた場合、敷地に関わる固定資産税などの住宅用地特例が解除される―など、特定空き家化を未然に防ぐための政策が強化された。大分市の2020年度の調査では、市内の空き家は約3400戸。空き家は将来的に、全国で約2500万戸にも及ぶと予測されている。多数の空き家はその町や地域の土地の価値を下げることにつながるため、管理不全空き家の発生を未然に防ぐ対策がより一層求められている▼「実家じまいは親が生きているうちに…」家族の集まる時が話どきだ。(万)
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