大分建設新聞

四方山

台湾総統選

2024年01月15日
 台湾総統選挙が13日行われた。即日開票され、民進党総統候補の頼清徳副総統と副総統候補の蕭美琴(ショウ・ビキン)前駐米代表のペアが得票率40・05%、558万余票を獲得し勝利した。野党第一党・国民党の侯友宜(コウ・ユウギ)候補、台湾民衆党候補の柯文哲(カ・ブンテツ)主席を大差で下した。ただ前回4年前の総統選で蔡英文総統が獲得した得票率57・2%、817万余票には大きく及ばなかった▼同じ政党が3期12年連続で政権を担うのは初めて。同時に行われた立法委員(国会議員)選挙では民進党は過半数を獲得できず、今後の政権運営の難しさが予想される。今回の選挙で特徴的だったのは、民進党、国民党のこれまでの政権運営に不満を持つ若手を中心とした市民が、得票率26・46%で369万余票を獲得した第3勢力の柯氏に投票したとされる点だ。米国寄りで独立志向も内在した民進党、中国に融和的な国民党に対する失望感の表れとみられる。民意は「独立」や「中国との統一」といった構図は望まず、現状維持を望んでいる層がこれまで以上に表面化しているとみていい▼上川陽子外相は同日「台湾は基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナー。非政府間の実務関係として維持していき、日台間の協力と交流のさらなる深化を図る」との大臣談話を発表し歓迎の意を表明したほか、日台間の実務機関である公益財団法人「日本台湾交流協会」の代表と台北事務所長(大使級)が翌14日、早々と民進党本部を訪れ、頼、蕭の両氏に祝いの言葉を述べた▼一方、中国の王毅政治局員兼外相は14日、総統選の結果を受けて中国は引き続き台湾の完全統一を目指すことを強調している。故安倍晋三首相が提起した「台湾有事」の懸念が消えることはない。(ゴウ)
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