大分建設新聞

四方山

オスプレイ

2023年12月05日
 先の大戦で日本本土を焼き払ったのが米軍の大型爆撃機B29である。同じようにドイツを焦土に変えたのがB17と呼ばれた爆撃機だった。そのB17とB29の間にB24という爆撃機があった。通常、翼は機体の下部についているものだが、高速化を狙って翼を上部に持ってくるという斬新な設計だった▼ところが、それがたたったのか、墜落事故が相次ぎ、軍の評価は散々で主力機の座を担うことはなかった。それどころか、事故が頻発することから搭乗員たちからは「ウィドウ・メーカー」と陰口をたたかれたという。直訳すれば「未亡人製造機」である。何とも身もふたもないもの言いは、米国流の強烈な皮肉なのであろう▼最近では、米軍の新鋭輸送機V22オスプレイがそう呼ばれている。ヘリコプターと飛行機を合体させたような機体で、垂直離着陸できるのが何よりの特徴だ。日本の自衛隊も購入している。ただ、B24同様、墜落事故が多いとされ、事故のたびに米国のメディアには「ウィドウ・メーカー」の文字が躍る▼国内の配備予定地である佐賀などで、住民の反対運動が起きているのも事故が多発しているためだ。在日米軍のオスプレイが鹿児島・屋久島沖で墜落した。乗員8人は全員絶望的とみられ、誠に残念なことである。それとは別に何とも怪訝だったのが日本政府の対応だった。宮沢博行防衛副大臣が当初「不時着水」と発表していたからだ▼その理由というのは「最後の最後までパイロットはがんばっていた」からだという。その理屈でいえば、1985年の日航ジャンボ機墜落事故さえも不時着陸になってしまう。いったいどこの国の防衛副大臣なのか。米国への忖度であろう。日本政府は同型機飛行停止を申し入れたが、あっさりと無視された。日本は本当に独立国家なのだろうか。(熊)
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