大分建設新聞

四方山

ジェンダー

2023年11月08日
 子どものころ、パプアニューギニアというところに裸族がいて、そこでは女が畑仕事から子育てまで衣食住のほとんどの仕事を行い、男は狩りと戦い以外は日がな一日博打をしているという話を聞いたことがあり「いつかは裸族に」と思ったものだ▼日本の社会では、妻は家内とも呼ばれるように女は家を守り男は外で働くという意識が浸透している。昔からこのような男女の役割があったと思われがちだが、実はつい最近のことなのだ。江戸時代は武家社会を除いて共働きが普通で、特に女は子孫繁栄と家内労働という重責を担い、女無しに家は成り立たなかった▼戦後の高度成長期にサラリーマンが登場、家族は外で稼いでくる男(夫)と家事労働を行う女(専業主婦)という男女の役割分担の形ができた▼家族を養うという思い上がった考えが男を支配し、外で7人の敵を相手に戦っているのだから家庭では縦のものを横にもしない亭主関白を気取っていた。前時代的な男尊女卑と思うかもしれないが、よく考えると女は男を操る馭者(ぎょしゃ)で、男は馬車馬にも思えてくる。夫は妻から与えられたエサを食べ、一生懸命働いて稼ぎを持って帰る。女にとって結婚は第2の就職、家事育児は女の仕事とされ、男は結婚して家庭を持って一人前とみられた▼今では共働きが普通になり専業主婦が死語になりつつあるが、昭和時代は女はクリスマスケーキに例えられ24歳(日)までに結婚しないと売れ残りと言われた。夫婦と子ども2人の家族は標準世帯として税金や社会保障の給付・負担などを計算する上でのモデルケースとして扱われてきたが、今や総世帯数の5%弱となっているのが現実。家事労働ができない昭和の男の多くは、平均寿命が示す通り女よりも弱い生き物だから、妻より1秒でも早く死にたいと思っている。(筋)
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