大分建設新聞

四方山

台湾総統選挙

2023年11月06日
 来年1月、台湾総統選挙が行われる。民進党の蔡英文総統の2期8年の任期満了に伴う選挙で、同党が政権を担当するのか、8年ぶりに国民党が政権に復帰するのかが争われる。数年前から台湾有事がクローズアップされる中、独立志向が強い民進党、中国に融和的な国民党のどちらが政権を担当するかによって台湾有事が大きく左右される▼これまで総統選には、与党民進党主席で副総統の頼清徳、ライバルの国民党公認で新北市長を務める侯友宜、前台北市長で台湾民衆党主席の柯文哲、電子機器を受託生産するEMS企業の世界最大手の鴻海精密工業創業者の郭台銘の4氏が出馬を表明している。9月下旬の現地紙世論調査では、頼氏が30%とトップで柯氏21%、侯氏20%、郭氏10%と続いているが、予断を許さない▼台湾総統選は、米国などの大統領選挙同様に派手な選挙運動が繰り広げられる。会場で大音量の音楽が流れ、司会者が候補者の支持を求めてアピールする姿はコンサートのようであり、祭りのようでもある。にぎやかで派手好きな台湾の国民性を表わしており、日本の選挙とは趣を異にする▼1996年から始まった直接選挙の台湾総統選では、与野党の政権交替は3回。前回の2020年の総統選の投票率は7割を超えており、総統選に対する住民の関心は極めて高い。政治に対する期待度は、低迷する日本の選挙の現状を軽く超えている。04年からは海外在住者にも選挙権が与えられ、毎回の選挙ごとに多くの台湾系住民が航空機で里帰りする▼現在台湾と外交関係を結ぶ国は、太平洋の島しょ諸国を中心にわずか13カ国。国連にも未加盟で政治的に孤立する台湾にとって、舵取り役次第では台湾の在り方が激変してしまうし、激変は日本にも影響する。総統選での熱狂ぶりはその表れである。(ゴウ)
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