大分建設新聞

四方山

中東戦争

2023年10月23日
 JR大分駅北口の祝祭の広場で6日に開かれていたユダヤ教の仮庵(かりおり)祭りに参加した。大分市に住むユダヤ系米国人女性が主催したもので、50人ほどの老若男女が集まった。たまたま主催者が知り合いだったため、軽い気持ちだった。ユダヤ教といっても旧約聖書に書かれている類のものという認識しかなく、まったくのイベント感覚だった▼Succot(スコット)とも呼ばれている仮庵祭りはユダヤ教の安息日に行われる3大行事の一つで、7日はその最終日だった。その日午前6時半ごろ(現地時間)イスラエルにパレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」がロケット弾を撃ち込んだ。数千発ともいわれる規模で、イスラエルのネタニヤフ首相は強硬姿勢を示し「これは戦争だ」と宣言した▼7日のテレビでそのニュースを見て驚いた。前日、祭り会場で出会ったユダヤ系の人々の顔が浮かんだ。祭りの最後は小中学生時代に授業でよくやらされたフォークダンスに似て、全員が輪になってイスラエルの音楽に合わせて踊るダンス。恥ずかしながら数十年ぶりにステップを踏んだ。体力も落ちているので足が思うように動かず引きずられるようだったが、踊っているうちに無性に楽しくなった▼イスラエルで使われているヘブライ語で平和を意味するあいさつの一つが「シャローム」。アラビア語では同様の言葉は「サラーム」という。極めて似ており語源は同じといわれている。第2次世界大戦終了後の1948年5月、ユダヤ人が建国したイスラエル。それ以来、75年間、本来近しいはずの両者は対立し続けている。専門家でもなくどちらが正当なのかは分かるはずもない。ただただ遠い中東の話で、普段は触れる機会がない世界が急に身近になった。(ゴウ)
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